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本日の映画レビュー

こんにちは、木下です。

久々に映画レビューいたします。

 

※尚、作品、人物に対する表現や見解等は、勝手な個人的感想ですのでご容赦ください。人物に対しましては、敬称を省略させていただく事が多いですが、こちらもご容赦ください。 また、本文中に一部ネタばれがありますので、作品をまだご覧になられていない方は十分にご注意ください。

 

最近観た作品からとも思いましたが、以前のレビューで話題にした作品を一つ。

 

アルフレッド・ヒッチコックの 『裏窓』 (1954年)

これも有名な作品ですので、ご覧になられた方も多いかと思います。

 

主演はヒッチコック作品の常連、 ジェームズ・スチュアート。

ヒロインは、 グレース・ケリーです。

 

仕事中に大怪我を負ったカメラマンのジェフ(ジェームズ・スチュアート)は、ギプスで脚を固定した状態で仕事はおろか、外出も出来ないで自宅療養中。

暇潰しに部屋の窓から見えるご近所を観察することぐらいしかする事がありません。

窓から見えるのは、複数のアパートの窓に囲まれた中庭だけ。

ところがある日、窓から見える状況から、向かいのアパートの一室で殺人があったのではと疑いを持ち、恋人のリサ(グレース・ケリー)や看護師さん、友人の刑事を巻き込んで証拠をさがすのですが・・・・・。

 

お話しは終盤の1シーンを除いて、主人公の部屋と、そこから見える窓の外の光景だけ、というカメラ視点で進行します。

1か所の舞台で展開するお話しは、舞台劇のようでもあり、私は好きな手法です。

同監督作品では他に『ロープ』という映画がありますが、これは舞台を1部屋に固定するどころか、最初から最後まで1カットで撮影した作品でした。(1カット撮影とはいうものの、途中人物の背中をクローズアップし暗転させ、フィルム交換等しています。)

他には『十二人の怒れる男』等も思い出されます。

また、「十二人の怒・・・」の日本版オマージュ作品である『12人の優しい日本人』(1991年中原俊監督・三谷幸喜脚本)は、現在の様な裁判員制度がない当時に、日本でも陪審員制度が導入されているという設定でのお話しで、とても面白かったです。(別の機会にレビューします)

 

 

話しを『裏窓』に戻しますが、主人公ジェフの行為は「覗き」だと、リサや他の人たちに非難を受けるのですが(当たり前です)、飼い犬を中庭で殺されてしまったご近所の奥さんが、中庭に面した近所の住民たちへ、近所同士の無関心を嘆くくだりで「ハッ」とさせられます。若干主人公の行為を正当化させてるのかなとも思います。

 

地味なお話しかなとお思いかもしれませんが、

しっかりとヒロインのグレース・ケリーが作品に華を添えています。

セレブなお嬢様のヒロインですが、終盤ではとても活動的で、大活躍します。

(これには、お嬢様のリサには、危険と背中合わせで過酷な状況の中、世界中を飛び回るカメラマンである自分と行動を共にするのは無理だと考えていたジェフも目を細めます。)

また、ジェフの「2度と同じ服を着ないリサか・・・」の台詞通り、

ファッション業界に生きる彼女は、登場シーン毎に異なった衣装をまとって登場します。

エンドロール前、リサはジェフにアピールすべく、それまでのエレガントなドレスと異なるカジュアルな衣装で冒険小説を読んでいるのですが、

ジェフが眠っているのを確認すると、手に持っていた本を・・・・・・。

 

「クールビューティ」と評されたグレース・ケリーは、本作でもとても素敵です。

 

 

向かいの窓越しの殺人疑惑を主軸に、他の部屋の住人達の物語が同じく窓越しに同時展開されていきます。

主人公の部屋と窓の外だけを舞台にしたサスペンスですが、スリリングでもあり、様々な要素を含んだとても面白い作品です。

ヒッチコック作品の中で一番好きな作品です。

 

ヒッチコックといえば、自分の作品の中にエキストラとして写りこむので有名ですが、

本作ではどこに写っているでしょう・・・・。    探してみてください。

 

それでは、また次回。

 


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